NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)と歯科について #マツムラトシオ歯科 #千歳烏山 歯科
2026年08月28日
こんにちは、歯科医師の丸本です。
みなさんはNMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)という言葉を聞いたことがありますか?
今回は、現在の研究をもとに、歯科の視点からNMNについてご紹介します。
<NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)とは?>
NMNは、私たちの体の中でNAD⁺という物質を作るための成分です。
NAD⁺は
・細胞でエネルギーを作る
・傷を修復する
・DNAの修復
・老化に関わる「サーチュイン(SIRT)」(長寿遺伝子といわれています)というタンパク質を働かせる
など、生きていくために欠かせない役割を担っています。
しかし、NAD⁺は年齢とともに減少することが知られています。
【歯科ではなぜ注目されているの?】
近年の研究では、NAD⁺やサーチュイン(SIRT)が
歯周病、抜歯後の治癒、インプラント周囲炎、顎の骨の再生、口腔乾燥症、口内炎などに関わる可能性が報告されています。
そのため、「NMNを補充することで口の健康を維持できるのではないか」と研究が進められています。
<歯周病への期待>
歯周病は炎症によって歯を支えている骨が溶けてしまいます。
最近の基礎研究では、
・炎症を抑える
・骨を作る細胞を助ける
・活性酸素を減らす
・組織修復を促進する
という可能性が示されています。
<抜歯やインプラント>
SIRT1というタンパク質は、抜歯後の骨の治癒、骨の再生、傷の治癒に重要であることが報告されています。
NMNはSIRT1を働かせるために必要なNAD⁺を増やすため、
将来的には
・抜歯後の治癒促進
・インプラントの骨結合の改善
につながる可能性があります。
<口臭や歯周病菌にも関係する?>
最近では、歯周病菌の増殖や病原性を抑える可能性、唾液腺機能を改善して口の乾燥を軽減する可能性も報告されています。
これらも今後の研究が期待されている分野です。
NMNを飲めば歯周病は治るの?
答えは「いいえ」です。
現在のところ、NMNは、歯石取り、歯周病治療、毎日の歯磨きの代わりにはなりません。
あくまで将来の補助療法として研究されている段階です。
<安全性は?>
現在までのヒト試験では、
250〜900mg/日程度を数週間〜数か月摂取しても、大きな副作用は報告されていません。
一方で、
数年間飲み続けた場合の安全性
がん患者さんへの影響
妊娠中・授乳中の安全性
については十分なデータがありません。
<まとめ>
NMNは、細胞のエネルギーや修復に欠かせないNAD⁺を増やす成分として注目されています。
歯科領域でも、
・歯周病の炎症抑制
・ 骨の再生
・抜歯後の治癒
・インプラント周囲の組織修復
・唾液腺機能の改善
など、多くの研究が進められています。
しかし、人での効果が確認された質の高い臨床試験はまだ不足しています。
ですので、現時点では歯科治療の代わりになるものではなく「研究段階」と考えるのが適切かと思います。
今後も最新の研究を取り入れながら、診療を提供できればと思います。
気になることがありましたら、お気軽にご相談下さい。
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医療法人社団 松希会
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